初めて朗読劇に行ってきました

はじめに

 お誘いいただいたので、朗読劇「はなしぐれ」を観に行ってきました。なんと千秋楽のドセンの席を譲っていただき大変恐縮……。
 初めて朗読劇を鑑賞しましたが、中々衝撃的だったので感想をダラダラ書いていこうかと思います。無駄に長い。

舞台

 入場して舞台に目を向けると端から端までスクリーンが……朗読劇とは??斜めの白い枠の中に、奥が見える薄いスクリーンが配置されているのですが、朗読劇が始まるとこのスクリーンに度肝を抜かれることになります。前方に2脚椅子が出ており、なるほどキャストさんはこちらの椅子に座って朗読するんだ〜
……とこの時は思ってました。

 

開演前

 開演前にもラジオ番組風?の案内が。コーレスもあってお客さん皆ノリが良かったです。(ふーみんが岩手県出身なの初めて知りました。)
 今回のキャストさんは、アイマスラブライブを履修している身としては聞き馴染みある方も多く、普段アイドル(役)姿を見慣れているので、違った演技を観れることも楽しみでした。
 ただ、虎牙道Pとしては濱野さんを観れなかったことが悔やまれます。

 

スクリーンはこう使うんだよ!

 メインの坂井進役 狩野翔さんと島崎美波役 
諏訪ななかさんが登場し、進のモノローグから始まりました。スクリーンにはモノローグの文字が表示され、なんてオシャレな演出なんだ……と思ったのも束の間、雨と神社の境内が投影され、一気に物語の世界に引き込まれました。あらすじにもあったように、大学生の2人の出会いと交流が主軸となります。
 話が進むとスクリーン挟んで裏側に主役とは違う2人の男女が。ここでスクリーンの本領発揮、なんとお二人がさしている傘に合わせて雨が動き、実際に雨が降っているかのように。……凄え……科学の力って凄え……。
 どうやらスクリーン内に出てきた2人は友達以上恋人未満の関係の模様。汐谷文康さん演じる、北井道留はまるで少女漫画の主人公。こりゃマリアも好きになっちゃうわ!完全に2人の世界で見てるこっちがドキドキしました。なるほど、この2組のカップルがメインになるのね。

 

シナリオと衝撃の仕掛け

 友人の鷹田慎介と満島蘭子や、道留マリアカップルのライバル、甲斐田恭介も登場し、ストーリーはどんどん進行します。進のバイト先に登場する大人達も良い味出してます。
 ここで気づき始めますが、ストーリー重くね?キャラクターそれぞれ、別れや挫折、迷いを抱えており、特に蘭子の独白(とさせていただく)は田中ちえ美さんの熱演もあり、心にくるものがありました。「男嫌い」は女オタクのありがち設定だと思わせといて、そりゃねえよ……。どんな気持ちで美波先生と接していたんだろう。
 また、進と美波、道留とマリアのそれぞれの関係が進展するにつれ、「あれ、なんかこのカップル達シンクロしてるな??」と。これがこの朗読劇のカラクリで、マリアと道留、恭介は美波が描いた漫画のキャラクターでした。スクリーン前が現実で、挟んで後ろ側が漫画の世界です。
 進が神社の拝殿から漫画を見つけた時に、天井から本物の紙が落ちてきた時は、現実と虚構の答え合わせみたいに感じて鳥肌が立ちました。そういえばスクリーン!!本の形になってる!!はじめからそういう設定だったのか〜〜!凝ってるな〜〜!!!名前も対になってるのか……
 シナリオやキャラの設定は全体的に重くてドロっとした雰囲気でしたが、友人キャラ2人が明るく、また、漫画の絵や、そのキャラである道留やマリアがとても可愛くて、鬱々とした気分には全くなりませんでした。居酒屋大人組のアドリブも面白かったです!こういうのは生舞台の醍醐味だなと思いました。

 

感想

 全体通して、主人公の進はカスだけど、大学生ってそんなもんなのかもしれないです。まだ挫折や不幸を上手く対処出来ないから、目の前の欲に負けるし、素直に言葉にすることが出来ないし。そんな時に夢や気持ちを、目に見える形で表現できる美波に出会って、恋というか憧れにも近い感情を抱いたのかもしれないなと思いました。気まずくなっても本心を伝えられなかったのは、美波があまりにも眩しかったのかもしれないです。分かるぜその気持ち。語られなかった6年間は、努力の日々だったのかもしれません。
 美波も美波で、兄から卒業しなければという思いがずっとあり、そのきっかけになった進は忘れられない存在だったと思います。出会いがお互いを成長させるのはボーイミーツガールの物語の美しいところだなと思いました。作風的にバッドエンドも覚悟しましたが、登場人物各々が成長したハッピーエンドでよかったです。

 

最後に

 まるで雨の中、小説を読んでいるみたいでした。終演後に感想、考察を語り合える舞台でとても楽しかったです。日々を無為に過ごす今日この頃、夢を追いかける眩しさをほんの少しだけ思い出しました。
 でも絶対明かされてない設定あるだろ…メイソンとか特に……オラ!飛べ!全部出しな!!友人2人の6年後も見てぇ〜〜
 キャストさんの演技も素晴らしかったです。漫画のキャラはアニメのセリフっぽく、現実のキャラは普通の会話のように演じており、表情演技等々もすごかったです。もはや演劇やん。
 お誘いいただいた朗読劇有識者に聞いたところ、「これはかなり特殊」とのことだったので、良い経験をさせていただきました。
 マジで最後に。濱健人、叶わない恋をする男が似合いすぎる。

 

これは私が勝手に設定したED